現代社会は常に時間との戦いです。
「やるべき仕事に追われて、自分のやりたいことができない」
「学びたいけど、時間がなくて結局何も進まない」
そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。
今回は、永谷研一さんの著書『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考』を紹介しながら、「やりたいこと」と「やるべきこと」を両立させ、ビジネスで成果を上げるための「継続力」の磨き方について解説します。
「やりたいこと」VS「やるべきこと」──あなたはどちらを優先している?
忙しいビジネスパーソンにとって、「やりたいこと」と「やるべきこと」はしばしば対立します。たとえば、
- 毎日の会議や業務に追われ、スキルアップの勉強ができない
- 本当は起業や副業にチャレンジしたいけど、目の前の仕事で手一杯
- 健康のために運動したいが、時間が取れない
これらの悩みは、「時間が足りない」というよりも、「続けるための思考」が整っていないことが原因かもしれません。
永谷氏は本書の中で、「やる気」や「根性」ではなく、「行動を支える仕組み」が必要だと説いています。つまり、「気合」よりも「設計図」なのです。
継続力の本質は「やる気」ではなく「仕組み」
多くの人が続けられない理由として、「やる気が続かない」「面倒くさくなる」「忙しくてできない」といったものを挙げます。
しかし著者は、継続できる人とできない人の違いは「意志の強さ」ではなく「習慣化の設計」にあると語っています。
1. 行動のハードルを下げる
やりたいことを始めるとき、つい理想を高く設定してしまいがちです。たとえば、
- 毎日1時間英語を勉強する
- 週5回ジムに通う
- 1ヶ月でビジネス書を10冊読む
このような高い目標設定は、初期のモチベーションが高いうちはできても、少し疲れたり忙しくなったりすると途端に崩れます。
そこで著者が提案するのが、「スモールステップ思考」。
やる気がいらないくらい小さな行動にすることで、ハードルが下がり、継続が容易になります。
たとえば、
- 英語の単語を1日3個覚える
- ビジネス書を1日1ページだけ読む
- 毎朝ストレッチを1分だけ行う
このように、”とにかく始めること”にフォーカスするのです。
2. 行動を見える化する
継続には“見える化”が不可欠です。
記録をつけることで、自分の取り組みの成果や傾向を客観的に把握でき、自然とモチベーションが高まります。
著者が開発した「Smart Habit」というアプリは、習慣の記録・管理を支援するもので、以下のような効果があります。
- やった・やらなかったが一目瞭然
- 継続日数が可視化され、達成感を感じやすい
- 自分の傾向や弱点が分かる
この“自分を俯瞰する習慣”は、ビジネスのPDCA(Plan-Do-Check-Act)にも通じるものがあります。
習慣化のカギは「環境づくり」にあり
継続の最大の敵は「意志の弱さ」ではなく、「環境の誘惑」です。
スマホ、テレビ、SNS、同僚からの誘い…誘惑だらけの環境で集中するのは困難です。
そこで著者は、「やらざるを得ない環境」を自らつくることを推奨しています。
たとえば、
- 勉強するときはスマホを別の部屋に置く
- 仕事の始業前に10分だけ習慣タイムを設ける
- 通勤電車ではKindleでビジネス書を読む
このように「環境をデザインする」ことで、行動を自動化しやすくなります。ビジネスの場でも、集中したいときに「会議室にこもる」「通知を切る」などの工夫をしている人も多いでしょう。
ビジネスにおける“続ける思考”の活用術
ここからは、著者の提唱する「続ける思考」をビジネスにどのように活用できるかを見ていきましょう。
① プロジェクト進行を“習慣化”する
大きなプロジェクトは、まとまった時間が取れなければ進まないと思われがちですが、実は「毎日15分でも触れる」ことが成果につながります。
たとえば、
- 朝イチで10分だけ構想メモを書く
- 昼休みにToDoを整理する
- 毎週月曜は必ず進捗を報告する
このように、プロジェクト進行をルーティン化することで「放置」「後回し」を防げます。
② スキルアップに“隙間時間”を活かす
ビジネススキルの習得も、習慣化によって効果が倍増します。
- 通勤中にオーディオブックでインプット
- ランチ後に5分間で英語ニュースを読む
- 毎朝、日経新聞の1記事を読む
これらも“見える化”しておくことで、「やった自分」に自信が持て、継続につながります。
③ チームマネジメントで活用する
部下やチームメンバーの行動習慣も、「仕組み」で変えることができます。
- 毎朝10分の朝会でその日の目標を共有
- 週報に学びや反省を記録
- 習慣形成アプリをチームで活用
このような環境を作れば、「継続する文化」がチームに根づき、成果が出やすいチームに変わります。
継続力は「最強のビジネススキル」
結局のところ、「成果を出す人」と「出せない人」の差は、圧倒的に“続けたかどうか”にあります。
- 英語ができる人は、毎日コツコツ勉強を続けた人
- 優秀なリーダーは、日々の振り返りを欠かさなかった人
- 副業で成功した人は、毎日少しずつ手を動かしてきた人
どれも、「特別な能力」ではなく、「習慣の積み重ね」によって成り立っています。
まとめ:「やる気が出ない人」こそ読むべき一冊
『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考』は、意志や根性に頼らず、ビジネスにも人生にも役立つ「続ける力」を身につけるための指南書です。
- 続けるためには“仕組み”をつくる
- 習慣のハードルは思い切って下げる
- 記録と環境が継続を支える
- ビジネスでは、継続が圧倒的な成果につながる
多忙なビジネスパーソンこそ、「続ける仕組み」を整え、「やるべきこと」だけでなく「やりたいこと」も実現していきましょう。
✅最後に一言
「続けられないのは、あなたの意志が弱いからではない。それは“仕組み”のせいだ。」
この言葉が、あなたの習慣設計を変えるきっかけになるかもしれません。
まずは1日1分から、新しい行動を始めてみませんか?
📘 書籍情報
タイトル:『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考』
著者:井上 新八
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2023年11月25日
価格:1,760円(税込)
ページ数:312ページ
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