現代のビジネスにおいて、どれだけ優れた商品やサービスを持っていても、「伝え方」を誤れば売れません。むしろ、商品自体は普通でも、「言葉」の力によって爆発的に売れることさえあります。
そこで参考になるのが、眞木準氏らが監修した『セールスコピー大全――見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方』です。本書は、広告や販促、営業やWebコピー、SNS、チラシ、ECサイト、あらゆる販促手段で応用できる「売れるコピーの作り方」を体系的に解説しています。
本記事では、この『セールスコピー大全』から学べるエッセンスをビジネスに応用する方法を解説します。売れる文章を作りたい、成果を上げたいビジネスパーソン、経営者、マーケターにとってのバイブルになるはずです。
1. セールスコピーとは?:単なる「文章」ではなく「行動を促す言葉」
本書で最初に強調されているのは、「セールスコピー」とはただの説明文やキャッチーなフレーズではない、という点です。セールスコピーとは、「読んだ人が行動したくなる言葉」です。
- 商品を買う
- 資料請求する
- 問い合わせする
- メールアドレスを登録する
つまり、コピーの目的は読んでもらうことではなく、動いてもらうことです。
ビジネスへの応用
営業メール、ホームページ、チラシ、ランディングページ、SNS投稿など、どんな場面でも「次の行動」につなげるコピーが必要です。商品紹介の羅列ではなく、「あなたに必要な理由」「買わなければ損な理由」を、言葉で伝えられているかが問われます。
2. セールスコピーの基本構造:PREP法と4つのステップ
本書ではコピー作成の構造として「PREP法」や、「4ステップメソッド」が紹介されています。代表的なのが次の4ステップです。
ステップ1:注意(Attention)
一番大切なのが「目を引くこと」。タイトルや最初の一言で興味を引けなければ、読まれることすらありません。
【例】
- NG:「弊社の新商品をご紹介します」
- OK:「99%の人が知らない、ダイエット成功のカギとは?」
ステップ2:興味(Interest)
興味を持たせるためには「自分ごと化」が大事。読者が「私のための話だ」と思えるような情報を伝えます。
【例】
- 「もう失敗したくない…そんなあなたに」
- 「忙しいビジネスパーソンでも3分で読める!」
ステップ3:欲求(Desire)
次に、商品やサービスを「欲しい」と思わせます。ここではベネフィット(=得られる未来)を明確に伝えます。
【例】
- 「たった1週間で3時間の時短が実現」
- 「これ1本で、営業成績が2倍に」
ステップ4:行動(Action)
最後に「行動」させる言葉。購入ボタンやお問い合わせページに誘導する際に「今すぐ」が重要です。
【例】
- 「今だけ限定50名様に無料配布中!」
- 「3日以内にお申し込みの方には特典あり!」
ビジネスへの応用
この構造は、営業トーク、資料作成、広告文、セミナー集客ページ、すべてに応用可能です。特に「最後の一押し」である「行動の促し」が弱い人は多いですが、ここを強化するだけで成果が目に見えて変わります。
3. 売れる言葉の型を使いこなす
『セールスコピー大全』では、「型」も豊富に紹介されています。コピーにおいて「感覚」で書くのではなく、「型」をベースにすると量産が可能です。
代表的な型:
- 【問題提起 → 解決策提示】
- 「◯◯で困っていませんか?それなら△△がオススメです」
- 【数字で訴求】
- 「たった3分で完了」「98%の人がリピート」
- 【疑問形で引き込む】
- 「あなたの売上が伸び悩む、本当の理由は?」
ビジネスへの応用
営業資料の冒頭、ランディングページのファーストビュー、SNS広告、動画のタイトルなどに活用することで、「見る→読む→動く」への導線が自然に作れます。
4. 「ベネフィット思考」が命
人は商品そのものではなく、「それを使った先の未来」に惹かれます。
例えば、掃除機を買う理由は「ゴミを吸うこと」ではなく、「清潔な空間で快適に暮らしたい」から。
本書では、以下のように「機能→ベネフィット」への言い換えを勧めています:
機能(特徴) | ベネフィット(得られること) |
---|---|
自動更新機能 | 手間をかけずに常に最新の状態を保てる |
軽量設計 | どこにでも簡単に持ち運べてラク |
ビジネスへの応用
サービス紹介や営業トークでも「特徴を語るだけ」ではNG。「だから、何がいいのか?」まで言葉でつなげましょう。
5. 成果が出るコピーには「感情」と「具体性」がある
売れるコピーは、読み手の感情に触れ、かつ具体的な内容を含んでいます。抽象的なコピーは刺さりません。
- 抽象的:「あなたの夢を応援します」
- 具体的:「3ヶ月で副業収入10万円を目指すオンライン講座」
感情ワードの例:
- 不安:「もう間に合わないかもしれません」
- 希望:「あなたにもできます」
- 焦り:「今だけ限定」
- 共感:「わかります、その気持ち」
ビジネスへの応用
競合が多い分野ほど、「抽象的な表現」では埋もれます。数字、事例、比較、証言などを入れることで、コピーの説得力が一気に上がります。
6. セールスコピーを“売れる営業”に活用するには?
営業パーソンも、コピーの技術を持つべき時代です。以下のような使い方が可能です:
- メール営業:タイトルにベネフィットを入れて開封率UP
- 商談資料:導入部分に共感コピーで信頼感を構築
- クロージング:最後の一押しに「今動く理由」を明示
コピーは、対面でも、文章でも、SNSでも活かせる「営業の武器」になります。
まとめ:売れるビジネスは、売れる言葉でできている
『セールスコピー大全』を読んで感じたのは、「コピーはセンスではなく技術」だということです。実際に、成果を上げている企業や起業家は例外なく「言葉の力」を磨いています。
そして、ビジネスのどの領域においても、「人を動かす言葉」が求められる場面は数えきれません。営業、広報、広告、SNS、商品説明……あらゆる場面でコピー力は成果を左右します。
この本を読み、型と構造を理解し、実際に書いて試してみる。すると、目に見えて成果が変わってくるはずです。あなたのビジネスにおいて、「売れる言葉の力」を味方にしませんか?
おすすめの実践法(すぐに使える!)
- 営業メールのタイトルを「数字+ベネフィット」に変えてみる
- ランディングページの冒頭に「問題提起→解決提案」の型を使う
- 自社のサービス紹介を「機能」→「ベネフィット」に書き換える
- SNS投稿の最後に「今動く理由(期間限定・特典など)」を入れる
言葉を変えれば、ビジネスが変わる。
『セールスコピー大全』は、まさにその実践書です。
📘 書籍概要
- 書名:セールスコピー大全:見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方
- 著者:大橋 一慶
- ページ数:約382〜384ページ
- 定価:1,980円(紙版・電子版ともに同価格)
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