はじめに:なぜ今、自己肯定感がビジネスに必要なのか?
みなさんは、こんな経験ありませんか?
- うまくいっていた仕事がちょっと失敗しただけで、自信をなくす
- 上司のひと言に落ち込んで「自分ってダメかも」と思ってしまう
- 他の人の成功が気になって、自分と比べてしまう
これ、実は多くのビジネスパーソンに共通する「自己肯定感の揺らぎ」なんです。
近年、心理学の研究ではっきりしてきたのは、自己肯定感の高さがパフォーマンスやリーダーシップ、判断力に直結しているということ。
つまり、自信が持てる人ほど、冷静に考え、ブレずに行動し、成果を出し続けやすいということです。
でも、そんな自己肯定感って、どうやって身につけたらいいのでしょうか?
今回紹介するのは、冨山真由さんの著書『鋼の自己肯定感』。
この本は、「自己肯定感がすぐ下がる…」という悩みを根本から解決する方法を、脳科学とシリコンバレーの実践法から導き出した一冊です。
鋼の自己肯定感とは?──「失敗しても、評価されなくても揺らがない自分」
まず、「鋼の自己肯定感」とは何かを簡単に言うと、
どんな状況でも「自分には価値がある」と思える感覚
のこと。
多くの人は、自己肯定感が**「結果」や「他人の評価」**によって上下します。
でも、そうした外側の要因に左右される自己肯定感は、いわば「紙のように薄い自己肯定感」。
ちょっとの風(ミスや批判)ですぐに折れてしまいます。
一方で、「鋼の自己肯定感」は、自分の内側から湧き上がる揺るがない価値感。
誰かに褒められなくても、目標に届かなくても、「自分はOK」と思えるので、ビジネスで何が起きても動じません。
自己肯定感が高い人が、なぜビジネスで成功しやすいのか?
1. 冷静な判断ができる
プレッシャーのかかる会議やプレゼンの場で、自己肯定感が低い人はこう考えがちです:
「失敗したらどうしよう…」
「バカにされたら恥ずかしい…」
こうした不安が、判断を鈍らせたり、本来の実力を発揮できなくなる原因になります。
一方、「鋼の自己肯定感」がある人は、
「失敗しても自分の価値は変わらない」
「トライしたこと自体に意味がある」
と考えるため、緊張を抑え、冷静に対応できます。
2. 挑戦し続けられる
ビジネスの世界では、挑戦しない人に成長はありません。
でも、挑戦にはリスクがつきもの。「失敗したら…」とブレーキがかかるのも自然です。
だからこそ、失敗しても自分の価値は落ちないと思える自己肯定感が必要なのです。
GoogleやMetaなど、シリコンバレーの企業で働く人たちがどんどんチャレンジできるのも、この「鋼のメンタル」があるからこそ。
鋼の自己肯定感を育てる5つの習慣(すぐ使える!)
ここからは、実際に『鋼の自己肯定感』で紹介されている「日常でできる習慣」をビジネスの視点で紹介します。
1. 自分を否定しない「内なる対話」を持つ
自己肯定感が低い人の多くは、自分に対して厳しすぎる言葉を使っています。
- 「こんなこともできないなんて」
- 「また失敗した。自分はダメだ」
こうした“自分への否定”をやめるだけで、心の安定度は大きく変わります。
対策:自分に話しかけるときは「友人に話すように」
「よくやったね」「今の失敗は学びだったね」といった優しい声かけを、自分にしてあげましょう。
2. 毎日3つ「できたこと」を書き出す
シリコンバレーの企業では、「1日を振り返って、何を達成したか」を書き出す習慣を推奨しています。
これは、脳に「自分は前に進んでいる」という実感を与えるため。
たとえ小さなことでいいのです。
- 会議で発言できた
- 苦手なタスクに手をつけた
- 後輩をサポートできた
こうした「できたこと」を毎日書くことで、自分を肯定する回数が増え、習慣化します。
3. 他人と比べるのをやめる
ビジネスでは競争がつきものですが、他人と比べ続けると、自己肯定感は確実に下がります。
他人は他人、自分は自分。
他人の成功を参考にするのは良いですが、「自分が遅れている」「負けている」と感じる必要はありません。
ポイント:比べるなら「過去の自分」と比べよう。
- 半年前より成長しているか?
- 昨日より丁寧に対応できたか?
成長の物差しを「自分」に切り替えることで、ブレない軸ができます。
4. 感情を記録する「エモログ習慣」
本書では、「感情ログ(エモログ)」の習慣も推奨されています。
1日1回、自分がどんな気分だったか、なぜそう感じたのかを短く書くことで、自分の感情パターンを客観視できます。
たとえば:
- 上司の無視に落ち込んだ → 自分の価値を否定されたと感じた
- ミーティングでアイデアが採用された → 承認された感覚が嬉しかった
この「感情に気づく力」が高まると、落ち込みそうな場面でも「これは一時的な感情だ」と気づいて、ブレずに行動できるようになります。
5. “肩書き”ではなく“本質”で自己評価する
自分を「役職」や「実績」で評価していると、それが失われた瞬間に自己肯定感が崩れます。
- 部長じゃなくなったら自分に価値はないのか?
- 売上が落ちたら、自分はダメな営業なのか?
そんなことはありません。
著者は、「自分の本質的な価値=考え方、姿勢、努力、誠実さ」などに目を向けるように勧めています。
ビジネスの現場で「鋼の自己肯定感」が活きるシーンとは?
- リーダーとしての安定感
チームを率いる立場では、ブレない自信が不可欠です。自己肯定感が高いリーダーは、部下のミスにも動じず、冷静に対処できます。 - 営業やプレゼンの成功率が上がる
自己肯定感が高いと、相手に堂々とした印象を与えられます。結果として信頼されやすく、商談もスムーズになります。 - 転職やキャリアチェンジにも強い
たとえ今の職場を離れることになっても、「自分には価値がある」と信じていれば、環境に関係なく前に進めます。
おわりに:「根拠のない自信」こそ、武器になる
『鋼の自己肯定感』は、「何があっても自分を信じる力」を育てるための実践的なガイドです。
ビジネスでは、結果が出ない時も、他人から否定される時もあります。
でも、そんなときこそ「自分には価値がある」と思える人が、最終的に勝ちます。
この本で紹介されている習慣は、どれもすぐに始められるものばかりです。
ぜひ、今日から一つでも取り入れてみてください。
あなたの働き方・成果・人間関係が、きっと変わります。
【まとめ:鋼の自己肯定感を育てる5つの行動】
- 自分への言葉を優しくする
- 毎日「できたこと」を3つ書き出す
- 他人と比べるのをやめ、過去の自分と比べる
- 感情の記録(エモログ)で内面を整理する
- 肩書きではなく、自分の本質で自己評価する
書籍情報
書名:鋼の自己肯定感 ~「最先端の研究結果×シリコンバレーの習慣」から開発された“二度と下がらない”方法
著者:宮崎 直子
出版社:かんき出版
発売日:2022年4月6日
ページ数:240ページ
ISBN:978-4761276003
価格:1,650円(税込)
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