「正しさ」より「欲望」が人を動かす?
「良いものを作ったのに、なぜ売れないんだろう…」
そんな悩みを抱えたことはありませんか?
その答えは、松本健太郎さんの著書『人は悪魔に熱狂する』にヒントがあります。
この本では、人間の“ちょっとダークな本性”――つまり、欲望・怒り・怠けたい気持ちにフォーカスして、行動経済学の視点から解説しています。
実は、この“悪魔のような感情”こそが、人の心を動かし、商品を買わせ、行動を変える力になるのです。
今回は、本書の内容をビジネス目線でわかりやすくまとめてみました!
1. 「欲望」を刺激すれば、人は動く
人は論理ではなく、「得したい!」「欲しい!」という気持ちで行動します。
たとえば…
- 「期間限定」
- 「今だけ50%オフ!」
- 「先着100名様限定!」
こんな言葉に、つい反応してしまったことありませんか?
これは、「逃したくない!」「得したい!」という人間の強欲な部分をうまく利用しているんです。
ビジネスへの活かし方:
- 値段を“比較”して、お得感を演出(例:定価10,000円 → 今だけ5,980円!)
- 限定・期間限定・数量限定などで希少価値をアピール
- 商品の「ベネフィット」(得られる未来)を見せる
2. 「怒り」がバズを生む?
SNSやニュースを見ていると、「なんでこんなに怒ってる人が多いんだろう…」と思ったことありませんか?
実はこの「怒り」、ただの感情ではなく、**人を動かす“爆発力のあるエネルギー”**なんです。
ある広告が“炎上”して話題になることがありますが、うまく設計されていれば、あえて賛否両論を呼ぶことで注目を集める戦略にもなります。
ビジネスへの活かし方:
- ちょっと“挑戦的な言葉”を使って、議論を巻き起こす
- あえて「賛否が分かれる立場」をとって、ファンとアンチを生み出す
- 炎上しすぎないように“線引き”をして、安全圏を設計する
3. 人は“怠け者”。だからこそラクが売れる
私たちは毎日、楽をしたいと思って生きています。
たとえば、
- ワンクリックで買えるネットショッピング
- スマホで完結する予約・決済
- 食材カット済みのミールキット
これらはすべて、「面倒くさい」をなくしてくれるサービスです。
「人は合理的に行動する」ではなく、「できるだけサボりたい」が本音。
ビジネスへの活かし方:
- 手間を減らす導線(例:最短で購入までたどり着けるECサイト)
- 「◯◯しなくていい」というメリットを打ち出す(例:書かずにOK、並ばなくてOK)
- 面倒くさがりのためのサービス設計を意識する
4. 言葉とストーリーで人は動く
人は、正確な情報よりも**“響く言葉”や“印象的なストーリー”**に心を動かされます。
たとえば、ただのチーズケーキよりも、
「まるで雲のようにふわっと消える、奇跡のチーズケーキ」
というコピーの方が食べてみたくなりますよね?
事実よりも、「感情に訴える表現」が大切なんです。
ビジネスへの活かし方:
- 商品のスペックではなく、“使ったあとの幸せ”を見せる
- キャッチコピーに“想像させる言葉”を入れる(例:「新感覚」「今までにない」)
- ストーリーや背景を語って、共感を得る
5. 人は“矛盾”した存在。だからこそ行動は読みにくい
たとえば…
- 節約したいと言いながら、スタバで毎日カフェラテを買う
- 健康に気をつけているのに、深夜にポテチを食べてしまう
こんな“矛盾”こそが、人間らしさ。
松本さんは、本書で「人間は理屈ではなく感情で動く生き物」と強調しています。
つまり、マーケティングも「合理性」だけを追ってもうまくいきません。
ビジネスへの活かし方:
- 行動心理をもとに設計(例:選択肢を減らす、迷わせないUI)
- 顧客が“言っていること”と“実際にしていること”の違いを観察
- 本音ベースで仮説を立て、テストする
まとめ:悪魔を理解することが、売れるビジネスのカギ
『人は悪魔に熱狂する』は、単なるビジネス書ではなく、
**「人間って、思ってるよりずっと感情で動いてるよね」**という事実を教えてくれる一冊です。
✔ 正しいから売れるわけじゃない
✔ 便利でも、伝え方が悪ければ選ばれない
✔ 「感情のスイッチ」を押すことが、ビジネスを動かす
そんな気づきが、ぎゅっと詰まっています。
もし今、あなたのサービスが思ったように売れていないなら、
“人間の欲望・怒り・怠け心”を理解することから始めてみるのも一つの手です。
最後に:あなたのビジネスは、人の“悪魔”を理解してますか?
・欲望をくすぐる仕掛けはありますか?
・「面倒くさい」を減らす設計ができていますか?
・ストーリーや言葉で感情を動かせていますか?
この3つを見直すだけでも、ビジネスは大きく変わるかもしれません。
📘 書籍情報
- 書名:人は悪魔に熱狂する ― 悪と欲望の行動経済学
- 著者:松本 健太郎
- 出版社:毎日新聞出版
- 発売日:2020年7月11日
- 判型:新書サイズ(B6判)
- ページ数:336ページ
- ISBN:978-4-620-32640-5
- 定価:1,320円(税込)
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